バックアップやデータのストレージとして活躍するHDDやSSD。内蔵型のSSDやHDDは価格も手頃で、特にHDDは数テラバイトでも数千円で手に入る時代になりました。
外付けで持ち運びも考慮するとSSD一択だと思いますが、パソコンのバックアップ目的や、大容量の画像・動画等を保存して手元に保管しておくだけなら断然HDDが安くてオススメです。
そんなHDDは元々消耗品で、寿命は一般的に3年〜5年と言われています。電源が入っているときは常時稼働しているので長期間使用していると次第に内部のモーターやプラッタ、磁気ヘッド、アームといった部品が老朽化していきます。動作が遅く感じたり、ガガガッと作動音が大きくなってくる等、HDDのクラッシュ兆候は割と分かりやすい傾向にあります。
一方で、SSDはある日突然何も予兆なく突然壊れます。筆者も過去にWindows機のSSDが突然壊れ、大事な思い出の写真がなくなってしまったことがあります。なので、完全に故障する前にHDDやSSDのクローンやバックアップは早めに作成することをおすすめします。
クローンとは、HDDやSSDに保存されているデータを別のHDDやSSDに丸ごと移行する事をクローンと言います。クローン作業を行うにはパソコンを使用したソフトウェアによるクローンと、パソコンを使用しない方法があります。ソフトを利用する方法は、慣れてしまえば比較的簡単なのですが、意外と知識も必要で難易度が高いです。
今回紹介するのは、後者のパソコンを使わない方法で、Logitecの「LHR-2BDPU3ES」を使って簡単にクローンを作成してみます。
導入経緯として、Windouws機のデータ用内蔵HDDに品質警告が出たので、物理的に故障してしまう前にクローンを作成して早めに交換しようと思いました。
因みに普段は、MacやiPhoneのバックアップTimeMachineとして4TBのHDDと、大容量の動画ファイルの逃がし場所として3TBのHDDを挿して2台運用をしています。
因みに購入は約1年前になりますので、特に新製品というわけではありませんよ
LHR-2BDPU3ES スペック
LHR-2BDPU3ES の主な特徴
- HDDの不要セクタを自動でスキップして強制的にクローンの作成が可能
- SATAコネクタにはフルカバー装着なので、ホコリの侵入も心配なし
- クローン作成だけでなく、5Gbpsの転送速度で2BAYの外付けストレージとしても利用可能
- パソコンの電源状態を感知して、自動的にスリープモードや復帰動作を行う電源連動機能を搭載
普段は、Apple製品のタイムマシーンストレージと、動画ファイル保存用のHDDを2BAYの外付けストレージとして使ってるよ
製品仕様
製品型番 | LHR-2BDPU3ES | |
---|---|---|
インターフェース | USB3.1 Gen1(USB3.0)/USB2.0 | |
動作時環境条件 | 温度 |
5℃〜35℃ |
相対湿度 | 20%〜80%(ただし、結露無きこと) | |
保管時環境条件 | 温度 |
−20℃〜50℃ |
相対湿度 | 20%〜80% | |
入力電圧 | DC+12V | |
外形寸法(幅×奥行き×高さ) | 146×114×60mm(突起部を除く) | |
質量 | 243g | |
設置方向 | 水平 | |
コネクタ形状 | USB Type B×1 | |
冷却ファン | 無し | |
本体カラー | ブラック | |
保証期間 | 1年間 | |
環境配慮事項 | EU RoHS指令準拠(10物質) | |
ACアダプタ | PSE取得 36Wタイプ |
大容量HDDに対応
Logitec公式の対応表によると、単体利用ではHDD16TBまで、SSD4TBまで対応しています。どちらもほとんどの方には十分な容量が扱えると言えますね。2BAY同時利用の場合は各ポート最大12TBまでが上限のようです。
補足として、2.5インチSATAの場合はHDD最大5TB、SSD最大2TBに対応との事です。特に大容量のSSDには対応していないので注意です。
内蔵HDDならこんな大容量でも安価にストレージの増設ができますよ
クローン作成時の注意事項
コピー元のHDD容量が4TBで中身のデータ容量が2TBだとしても、コピー先のHDD容量が3TBのものだとクローン作成できません。この場合、4TB以上のHDDかSSDが必要になります。
クローンを行う場合にはコピー元よりも、コピー先のHDDやSSDの容量が大きい事が絶対条件なので注意!
外観
外箱
必要最低限の小さな箱といった感じです。パッケージもポップな感じなので、収納する時に使うのもアリですね。
ホコリ対策も万全
差し込みコネクタが上を向いた機器で困るのがストレージ未装着時のホコリ対策ですが、この機器はバッチリ対策済みなので安心して利用できます。
背面コネクタ類
ACアダプタと電源ボタン。そしてUSBコネクタがあります。こちらはパソコンに繋いで外付けストレージとして利用するのですが、UASP (USB Attached SCSI Protocol) モードなのでUSB3.1 Gen1(USB3.0)の転送速度5Gbpsを最大限に引き出せる仕様となります。
操作ボタン
操作ボタンはクローン作成時のみ使用します。
いよいよクローン作成開始
3.5インチのHDD/SSD、2.5インチのHDD/SSDが挿せる仕組みになっています。クローン作成をする場合には、コピー元のHDDやSSDをA側に、コピー先として使用するHDD/SSDをB側のスロットに挿す必要があります。
コピー元とコピー先のスロットに間違えて挿してクローン作業を行うと、大事なコピー元のデータが消去されてしまうので、ここは絶対に間違わないように!!
クローン作成手順
こういった作業の本体の電源がOFFの状態で作業しましょう。デュプリケーターとして使うので、USBケーブルは抜いておきます。
大切なデータが入っているHDD等をAスロットに挿します。
デュプリケーターとして利用する場合、Bスロットにセットしたデータは上書き消去され、完全なクローンが作成されます。なので、面倒なフォーマット作業も不要なようです。新しいHDDやSSD、または、消去しても大丈夫なストレージをBスロットに挿します。
AスロットよりもBスロットのストレージのほうが大きい必要があるので注意です。
電源ボタンをONにした後、状態表示ランプの「HDD A」と「HDD B」がオレンジ色に点灯してから10秒ほど待ちます。
ここはちょっとコツが要ります。CLONEボタンを長押しすると100%表示ランプが青く点灯します。その青いランプが消える前に再度CLONEボタンを押します。
もし青いランプが消灯てしまった場合は、再度CLONEボタンを長押しからやり直します。
以上で作業は終了。100%のランプが点滅では無く点灯表示されるまで待つだけ!
LHR-2BDPU3ES を外付けストレージとして利用する
この機器は二つの顔を持っています。一つは簡単にクローン作成できるデュプリケータとしての顔。そしてもう一つは外付けストレージのハブとしての顔です。
私も普段は外付けストレージとして利用しています。使い方は至ってシンプルで、USBコネクタにこの機器を接続するだけです。転送速度はUSB3.1なので最大5Gbなので、バックアップ目的であればなんの不自由もありません。
外付けストレージとして利用するHDDやSSDが新品の場合、用途によりフォーマットする必要があります。Macなら、ディスクユーティリティという標準アプリで作成可能です。
【まとめ】超簡単
コピー先のHDD等は、データだけでなくフォーマット環境も丸々コピーされるので、難しい設定も全く必要無くクローンの作成が超簡単にできます。ほんと、ただ挿してボタン押して待つだけで完了しちゃいます。エラーセクタも自動でスキップしてくれるので途中で止まることもなし。
もちろん専用のコピーソフトやターミナルなどでもクローン作成は可能ですが、LHR-2BDPU3ES単体で作業できるので、コピーしている間もパソコンが使えるのも高ポイント。1台あると、普段は2台分の外付けのストレージとしても利用できる汎用性が使い勝手も良いのでオススメできる製品です。